2015-01-01から1年間の記事一覧

戦慄するからくりとシニカルなからくりと。エドガー・アラン・ポー『落穴と振子』『十三時』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日はエドガー・アラン・ポー著『落穴と振子』『十三時』について。 書評コンプチャレンジがちっとも進みませんが、一応、のろのろマイペースで読んでおります。 以下、ネタバレにご注意ください。 『落穴と振子』 宗教裁判に…

想い出の小説ヘルマン・ヘッセ『車輪の下』『デミアン』を比較

皆さま、こんにちは。小暮です。お久し振りです。 12月に入ってやたら忙しくなっておりました。 久々の今回はヘルマン・ヘッセ『車輪の下』『デミアン』です。 薄々読みにくいなと感じていたので、改行の仕方を変えています。 ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』…

『枕草子』を読みやすく。オススメの関連書籍いろいろ。『むかし・あけぼの』『大鏡』『権記』ほか

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日は枕草子の関連書籍をいくつかご紹介したいと思います。 『むかし・あけぼの』田辺聖子 初っ端から恐縮ですが、未読です。 +16.2.1.追記。読みました。感想はこちら。 glleco.hateblo.jp すごく読みたい本の一つという…

野心家の貴公子。清少納言『枕草子』~頭の中将斉信篇~

皆さま、こんにちは。小暮です。 久々の枕草子です。今日は頭の中将・斉信についてご紹介します。 頭の中将・藤原斉信について 道長の腹心として知られる人物です。 道長の側近たち”四納言”の中でも最も道長に近い人物でした。 同じ四納言で、ともに枕草子に…

粒ぞろいの幽霊譚。英米女性作家8短篇『ゴースト・ストーリー傑作選』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日は英米女性作家8短篇『ゴースト・ストーリー傑作選』についてです。 ゴースト・ストーリーについて 19世紀半ばから20世紀初頭にかけて、 イギリスとアメリカで人気だった小説のジャンルで、 幽霊はもちろん、さまざまな…

頭痛の前兆で歯車が見える。「閃輝暗点」と作家の苦悩。芥川龍之介『歯車』

皆さま、こんにちは。小暮です。ややお久しぶりです。 今日は芥川龍之介著『歯車』についてご紹介します。 『歯車』について 芥川作品の最高傑作という声もある、評価の高い作品です。 主人公の「僕」が頭痛の前兆として幻視する透明な「歯車」が 不安の象徴…

眠れぬ夜の暇つぶし雑学|古写真(西洋美人篇)

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日は古写真をご紹介します。西洋の美女をテーマに探してみました。 エリーザベト・アマーリエ・オイゲーニエ・フォン・ヴィッテルスバッハ オーストリア=ハンガリー帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇后。 美人で名高い人…

エドガー・アラン・ポー『邪鬼』『お前が犯人だ』『スフィンクス』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日はポー作品『邪鬼』『お前が犯人だ』『スフィンクス』です。 *ネタバレ要素を含みます。ご注意ください* 『邪鬼』 タイトルの邪鬼はおそらく天邪鬼に近い意味だと思われます。 あるいは迅速に遂行すべき任務があるとし…

エドガー・アラン・ポー『アモンティリャードの樽』『告げ口心臓』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日はポー作品『アモンティリャードの樽』『告げ口心臓』です。 *ネタバレ要素を含みます。ご注意ください* 『アモンティリャードの樽』 フォルティナートという知人に恨みを募らせる主人公は、 復讐のために一計を案じま…

エドガー・アラン・ポー『黒猫』『本能vs理性――黒い猫について』『ウィリアム・ウィルソン』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日はエドガー・アラン・ポー作品である 『黒猫』『本能vs理性――黒い猫について』『ウィリアム・ウィルソン』です。 『黒猫』 ポーを代表する作品の一つです。 動物好きにはツライ表現があります……。 酒癖の悪い主人公はペ…

首なし騎士の怪異。伝奇小説『スリーピーホローの伝説』と映画『スリーピーホロウ』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日はワシントン・アーヴィング著『スリーピーホローの伝説』と 映画『スリーピーホロウ』についてです。 伝説の”首なし騎士” スリーピーホローというのは、アメリカに実際にある地名のようです。 訳すと、”まどろみの窪地”…

ヴィクトリア朝の人気絵本作家ケイト・グリーナウェイ

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日は絵本特集最終日になります。 ラストは絵本作家ケイト・グリーナウェイについて。 ケイト・グリーナウェイ 1846年、ヴィクトリア時代のイギリスに生まれました。 1878年に絵本『窓の下で』を発表し、評判になります。 …

酒井駒子『BとIとRとD』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日は絵本特集3日目になります。 酒井駒子著『BとIとRとD』について。 以前にもご紹介した酒井駒子さん 前の記事はこちら。 glleco.hateblo.jp なんとも残念な結果に終わりました……。 私はこの方の絵の大ファンで、張り切っ…

珍しくほのぼの系で読みやすい。エドワード・ゴーリー『胡乱な客』『まったき動物園』

皆さま、こんにちは。小暮です。 絵本特集の2日目になります。 今日ははエドワード・ゴーリー著『胡乱な客』『まったき動物園』です。 『胡乱な客』 最初の邦訳『ギャシュリークラムのちびっ子たち』から1ヵ月後、 2000年11月に発表されています。 主人公は…

シニカルで怖い異色の絵本。エドワード・ゴーリー『敬虔な幼子』『蟲の神』『題のない本』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日から4日間は絵本特集になります。 初日はエドワード・ゴーリー著『敬虔な幼子』『蟲の神』『題のない本』です。 『敬虔な幼子』 ゴーリーらしく無茶苦茶です。 『不幸な子供』はゴーリー自身が「やりすぎ」と語っている…

エドガー・アラン・ポー|ミステリーの元祖・探偵デュパンシリーズ|『モルグ街の殺人事件』『マリー・ロジェの謎』『盗まれた手紙』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日はエドガー・アラン・ポー著『モルグ街の殺人』『マリー・ロジェの謎』『盗まれた手紙』について。 パリの名探偵デュパンが主役の推理小説です。 『モルグ街の殺人』 記念すべきデュパンシリーズの一作目。世界初の推理…

読書の秋によせて|今、読んでいる本。読みたい本。そしてポーとゴーリーのコンプリートチャレンジ

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日はコラム記事になります。限りなくワタクシ事です。が。 何卒よしなに。 ブログをはじめてそろそろ2ヶ月ですが 書評ブログでありながら、スカスカ本棚という惨状を憂えております。 しかし本を読むスピードが遅いので、…

ビアトリクス・ポター『ピーターラビットのおはなし』と映画『ミス・ポター』

皆さま、こんにちは。小暮です。 只今ヴィクトリア特集中です。 今日はビアトリクス・ポター『ピーターラビットのおはなし』と 映画『ミス・ポター』について。 『ピーターラビットのおはなし』 お母さんうさぎに青い上着を着せてもらったピーター。 お母さ…

ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』

皆さま、こんにちは。小暮です。 昨日からヴィクトリア朝特集をやっております。 今日はルイス・キャロル著『不思議の国のアリス』について。 『不思議の国のアリス』 ルイス・キャロルの筆名でチャールズ・ラトウィッジ・ドジソンが書いた 子供向けの小説で…

眠れぬ夜の暇つぶし雑学|パンチ誌の挿絵からみるヴィクトリア朝

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日からしばらくヴィクトリア朝特集として、 ヴィクトリア時代の本や話題をご紹介します。 1回目はヴィクトリア朝の文化について。ファッションがメインです。 ヴィクトリア朝とは ヴィクトリア朝はイギリスにおいてヴィク…

眠れぬ夜の暇つぶし雑学|コッティングリーの妖精事件と映画『フェアリーテイル』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日は雑学ネタとして『コッティングリーの妖精事件』と、 同事件を扱った映画『フェアリーテイル』をご紹介します。 少女と妖精 コティングリーはイングランド北部にある小さな村です。 この村に住むエルシー・ライトと従妹…

眠れぬ夜の暇つぶし雑学|古写真(男性篇)

皆さま、こんにちは。小暮です。10月です。 今日は昨日に引き続いて古写真をご紹介します。今回は男性特集。 *写真はすべてパブリックドメインです。 勝海舟 無血開城で有名。べらんめぇ口調のオジサマのイメージだったのですが男前です。 スポンサードリン…

眠れぬ夜の暇つぶし雑学|古写真(女性篇)

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日は雑学ネタです。 古写真 日本には江戸時代(1848年だったといわれています)に写真技術が伝来し、 この頃から歴史上の有名人も写真を残しています。 「歴史に名を残したあの人はこんな顔をしていたのか」とか 「こんな…

ポーとアンデルセンと白雪姫をつなぐもの。『早すぎる埋葬』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日はエドガー・アラン・ポー著『早すぎる埋葬』 ……にまつわるコラムです。 多少怪談よりですので、お断りしておきます。 あなたにとって日常は怖いものですか? 19世紀ヨーロッパの人たちも怖いものがたくさんありました。…

トーマス・マンに見入られた少年たち『ヴェニスに死す』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日はトーマス・マン『ヴェニスに死す』について。 といっても今回は、作家や作品にまつわる裏話が中心です。 トーマス・マン『ヴェニスに死す』 トーマス・マンはドイツの作家で、 『魔の山』『ヴェニスに死す』などの著作…

本当にあった怖い話を小説化。ヤロスワフ・イヴァシュキェヴィッチ『尼僧ヨアンナ』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日はヤロスワフ・イヴァシュキェヴィッチ著『尼僧ヨアンナ』をご紹介します。 イヴァシュキェヴィッチについて簡単に ポーランドの作家にして詩人です。代表作はほかに『菖蒲』など。 『尼僧ヨアンナ』は第二次世界大戦中…

ある朝、目覚めると、虫になっていた。フランツ・カフカ『変身』

皆さま、こんにちは。小暮です。 この3日間、不思議を扱った小説をご紹介しています。 ラストはフランツ・カフカ著『変身』について。 不条理な不思議がテーマです。 カフカについて 20世紀前半に生きた作家で、保険局に勤めながら執筆活動をしていました。 …

怪奇作家が描く運命の恋。夢野久作『押絵の奇蹟』

皆さま、こんにちは。小暮です。 昨日から3日間、不思議を扱った小説をご紹介しています。 2回目は夢野久作著『押絵の奇蹟』について。 切ない不思議がテーマです。 夢野久作について 大正から昭和の初めにかけて活躍した作家です。 出家して還俗したり、新…

宿命の一族の悲話。エドガー・アラン・ポー『アッシャー家の崩壊』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日から3日間、不思議を扱った小説をご紹介したいと思います。 1回目はエドガー・アラン・ポー著『アッシャー家の崩壊』について。 怖い不思議がテーマです。 ポーについて簡単に 19世紀初めに活躍した作家で、怪奇短編小説…

意外とほのぼの系マンガなんです。『栞と紙魚子の生首事件』

皆さま、こんにちは。小暮です。 今日は“脱線の3日間”最終日。 『栞と紙魚子の生首事件』をご紹介します。 このマンガについて マンガなので、本という観点からすれば、 脱線ではないんですけどね。 ご紹介するマンガはこれ一つになりそうなので……。 * 『ネ…