酒井駒子『BとIとRとD』
皆さま、こんにちは。小暮です。
今日は絵本特集3日目になります。
酒井駒子著『BとIとRとD』について。
以前にもご紹介した酒井駒子さん
前の記事はこちら。
なんとも残念な結果に終わりました……。
私はこの方の絵の大ファンで、張り切って書いたというのにミスだらけで。
できるものなら再挑戦したいと考えていましたが、
このたび『BとIとRとD』をなんとかご紹介できそうです。
以前の記事においてミスがらみで登場した本でもあるので、
是非とも挽回したく思います。
『BとIとRとD』
表紙の柔らかそうなボブの髪の女の子は主人公の□ちゃん。
その髪は淡いピンク色に描かれていて、
黒い画面に浮かび上がる白い椅子とテーブルの席につき、
二羽の白い小鳥が傍らにいる……そのイラストが、
マスキングテープで貼り付けられているという素敵なデザインです。
以前の記事で(間違えて)
”心配になるくらい神経質”と書きましたが、
収録されている中でも『お友達』『幼稚園』が特にそう思いました。
『お友達』は特に……ただ、可愛い、微笑ましいでは終わらない、
気難しさ、育てにくさを感じさせる子で、
この子が大きくなるまで、どれだけ傷つくだろうとか、
親御さん頑張りどころだなとか、いろいろ考えてしまいました。
まとめと感想
タイトルを意識して、ところどころに鳥が配置されています。
図書館で本を読んでいる□ちゃんの傍に鳥がいたり、
小さい子の日常を描いていながらファンタジックな絵柄です。
酒井さんの絵の特色である黒と、浮かび上がる白い子供たち。
やはり幻想性を感じさせます。
この本が子供向けかといわれると、首を傾げてしまう。
文字も結構多めですし漢字もかなり使っています。
子供の繊細な世界の表現についても、むしろ大人向けな気がしました。
私の場合、絵本は主に絵を楽しむのですが、
(ゴーリー作品のように異色のものもありますが)
絵の素晴らしさはもちろん、
余韻ある映画を観たあとのように、読後考え込んでしまった一冊です。
明日は絵本特集ラスト、ケイト・グリーナウェイの予定です。