子供には読ませられない絵本。エドワードゴーリー『ギャシュリークラムのちびっ子たち』
皆さま、こんにちは。グレコです。
今回はエドワード・ゴーリーの絵本
『ギャシュリークラムのちびっ子たち』について。
特徴的作風
まるでビクトリア時代のようなモノクロームの線画が特徴的ですが、
ゴーリーは20世紀に生きたアメリカ人です。
よく見ると、絵柄にはアニメキャラクターのような可愛らしさがあり、
写実的な表現が目立ったビクトリア時代の画家たちとは一線を画しています。
この作品について
ゴーリーの絵本はどちらかというと大人向けです。
『ギャシュリークラムのちびっ子たち』は特にそうです。
それというのも、ABCの韻に乗せて、子供たちの不運が描かれるからです。
中にはドッキリするようなものもありながら、
決して陰惨にならないのは、
絵柄になんともいえない可愛らしさがあるからでしょう。
ゴーリーという人
ゴーリーはいつも顎ひげをたくわえ、
毛皮のコートを着て、白いテニスシューズを履いていたという、
見てくれからして風変わりな人だったそうです。
その代表作には、子供がどんなにヘンテコな生き物かを暗喩した『胡乱な客』、
罪のない少女が不幸に見舞われる『不幸な子供』などがあります。
特にABCに乗せて展開される作品が多いのですが、それというもの、
「ネタにつまったらABC」という考えがゴーリーにあったからのようです。
そのABCネタとして、『ギャシュリークラム~』や、
副詞(『華々しき鼻血』)を描くあたり、一癖も二癖もありそうです。
簡単にまとめ
そんな奇人変人だからこそ描けたのかもしれない絵本の数々。
まさに奇才です。
日本語訳もすばらしいものになっています。
明日は、森茉莉『贅沢貧乏貧乏サヴァラン』の予定です。
それではまた。