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たまにはメジャーに。『火車』『白夜行』『魍魎の匣』

 

皆様、こんにちは。小暮です。12月です。

今回はメジャーな3冊について取り上げたいと思います。ミステリー作品なので一応気を遣ってみましたが、ネタバレあるかもしれません。

 

宮部みゆき火車

多重債務者の悲劇を描いた社会派ミステリー。サラ金やクレジットカードなどをきっかけに、ごく普通の人々が転落し、這い上がれずにもがく姿が衝撃的です。そういえばあったなあ……と思うような諸問題が散りばめられていて、背筋が寒くなるようなリアリティでした。とある重要人物について、すべて周辺の人々の伝聞で描かれるのも、この作品のテーマには合っています。本人の中にあっただろうドロドロした部分も、過酷な運命ゆえというのがよく出ているし、哀切さがひしひしと伝わってくる。ラスト(本当はこれを詳しく語りたいけれども)がとても印象的です。

宮部作品は「理由」も面白かったです。普通の人々が社会の落とし穴にはまってもがく様はまさにホラー……。そうした人々に注がれる視線があくまで温かいのが魅力です。

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東野圭吾白夜行

過酷な運命を背負わされた少年少女の物語。タイトルの理由は作品を読んでいるとわかりますが、本当に薄暗い中さまよっているような感じがよく出ています。 当人の心理にフォーカスしない描き方は「火車」と通じるところ。ただ「火車」のはかなさに比べ「白夜行」は暗くたぎる野心に圧倒されます。”影”にあたる人物の献身ぶりに”光”にあたる人物(というか光を掴もうとする人物)の凄みを感じました。あの主従関係が築かれていく過程も見てみたかったですね。エグすぎるかな。

容疑者Xの献身」「流星の絆」も読みましたが、ちょっとカジュアルでした。「白夜行」は骨太です。

京極夏彦魍魎の匣

京極堂シリーズは「絡新婦の理」までですが読んでいます。どれも練りに練られたすごい話でしたが、印象的だったのが「魍魎の匣」。吉屋信子が好きな人間には、少女期の心の不安定や理不尽はそれだけで魅力的です。辛口に描かれてはいますが。

テレビ番組で、京極氏の書斎が紹介されていたのですが、そこで氏が隙間に対するこだわりを語られていて、この作品を思い出しました。隙間が許せなくて箱を置いたという描写が確かありましたよね。

「匣」に入った娘というのも美学を感じます。美学が愛情に負けたと取れる部分も(登場人物の名前を出さないつもりだったのに、うっかり出していたので、修正しました)。

グロさを気にしていると読めないので、マニアック感を楽しむのが正解といえそう。それでも個人的には乱歩の「孤島の鬼」より読みやすかったのです。

シリーズの2作目ですが、1話完結なので楽しめると思います。

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