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怪奇小説の元祖・ゴシック小説とは?

雑学 怪奇小説

 

皆さま、こんにちは。小暮です。7月です。

もう半年以上、月1~2記事の更新が続いておりますが、今月はもう少し更新できたらと思っています。

さて、今回から19世紀イギリスの怪奇小説をテーマにお送りしたいと思います。第1回目は前書きとして怪奇小説のルーツであるゴシック小説に焦点を当ててみました。

 

まず怪奇小説とは

怪奇小説は、超自然要素を含む不思議で不気味な出来事を題材とした小説作品のことです。イギリスとアメリカが本場といわれ、代表的な作家はエドガー・アラン・ポーアンブローズ・ビアスなど。イギリス人作家だと、リットン、ブラックウッドあたりでしょうか。19世紀イギリスでは怪奇小説がブームになっていて、『宝島』で知られるスティーブンソンやディケンズなど、一般的には怪奇小説作家としての認知度が低い作家もこのジャンルの作品を発表しています。

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元祖としてのゴシック小説

怪奇小説の元祖は18世紀イギリスで誕生したゴシック小説だといわれます。イギリス人のホレス・ウォルポールが1764年に発表した『オトラント城』がその起源とされ、以後ゴシック小説は本国イギリスのほかヨーロッパやアメリカでも大流行。ガストン・ルルーオペラ座の怪人』に代表されるフレンチ・ゴシックや、ドイツ、アメリカでも影響を受けた作品が数多く登場することになりました。イギリスでは19世紀はじめにブームが去りますが、その後も形を変えたり、再評価されたりして、後世の文学に多大な影響を与えています。

以前ご紹介したエミリー・ブロンテ嵐が丘』もゴシック小説の手法を用いた作品です。記事はこちら。

glleco.hateblo.jp

ゴシック小説ぽいなあ……とは思っていたのですが、もろにそうだったようです。エミリーはゴシック小説の大ファンだったといい、子供時代に読んで夢中になったゴシック小説の世界を詰めんこんだ作品といえそうです。因みに『嵐が丘』が発表された当時はもうゴシック小説のブームは終わっていて、それもあり、この作品が評価されるには次の時代を待たなければならなかったようです。

 

ゴシック小説の生みの親ホレス・ウォルポール

ゴシック小説の生みの親とされるホレス・ウォルポールはイギリスの初代首相ロバート・ウォルポールの息子で、趣味人というのがぴったりの人物でした。自身の理想である中世ゴシック風に設えたストロベリーヒル・ハウスの改築と『オトラント城』によって後世に名を残した人で、つまり、道楽三昧で一生を終えた人物と言っても過言ではありません。大貴族のお坊ちゃんなので何もしなくても全く困らないほどの財産を受け継いでいるのですね。

空から巨大な兜が振ってくるところから因果が始まり、不吉な予言や怪異に人々が翻弄される物語だとか。ミステリーのルーツだとも言われるようです。

 

ゴシック小説のお約束

 ゴシック小説には、ゴシック様式の屋敷や廃墟がつきもので、これに超自然や幽霊、過酷な運命、悪の権化のような人物が要素として加わります。室内貴族趣味などという言い方をされることも。しかし、ゴシック小説の定義は厳密ではなく、しばしば条件の不足が起こります。「ゴシック小説とは何ぞや?」というテーマの本を読んでみたことがあるのですが、内容自体はマカロニやスイス・アルプス、そして絵画にからめた独自理論が展開されていて非常に面白かったのですが、結局、定義がかなりアバウトなのだなという事情が一番よくわかりました。雰囲気としては、古のヨーロッパ貴族風のダークな物語、ということになるかと思います。

 

まとめ

個人的にゴシック小説の重要な要素だと思うのが美意識です。貴族趣味なだけに、格調高い恐怖の物語が綴られていて、そこが何よりの魅力だと思います。定義が相当アバウトなゴシック小説ですが、恐怖、神秘、壮大、美といったキーワードが当てはまるのではないでしょうか。

2016.7.30. 怪奇小説との比較を試みていましたが、まとまらなかったので、ゴシック小説のみに焦点を当てた内容へと修正しました。

 

次回からは、ぽつぽつ19世紀イギリスの怪奇小説をご紹介する予定です。「吸血鬼ドラキュラ」を未読なので、この作品だけはちょっと間に合わないかもしれません。

 

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