想い出の小説ヘルマン・ヘッセ『車輪の下』『デミアン』を比較

 

皆さま、こんにちは。小暮です。お久し振りです。

12月に入ってやたら忙しくなっておりました。

久々の今回はヘルマン・ヘッセ『車輪の下』『デミアン』です。

薄々読みにくいなと感じていたので、改行の仕方を変えています。

 

ヘルマン・ヘッセの『車輪の下

名作『シッダールタ』は非常に感銘を受けたのに読了していないというていたらくなので、今回は割愛いたします。

16歳くらいのときに読んだ『車輪の下』と『デミアン』は、若き日に出会った友人との関係性が軸になっているところが共通点の小説だと思います。

まず読んだのが『車輪の下』でしたが、正直、当時の自分でさえ読後の消化不良に見舞われました。ものすごく悩んでいた多感な年頃で、主人公ハンスの性格も自分に似ている気がしましたが……

ラストが近づくにつれ、ハンスの運命を介して作家の言わんとするところに、違和感を覚えてしまいました。

もうちょっとあがくものなんじゃないか。というのが正直な感想です。

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一方の『デミアン』は

車輪の下』でガッカリさせられたので、何年か経つまで読む気になれませんでした。20歳を過ぎてから読んだのでしたが、これは納得して読めました。

「ヘッセ、成長してる」

と、小生意気に考えたのを覚えております。実際のところ、二つの小説の間には14年の歳月が流れています。『車輪の下』はヘッセ28歳、『デミアン』は42歳のときの作品です。

まず、主人公シンクレールがちょっと毒を感じるくらい気概があるのが良いと思いました。彼の選んだ恋人も、デミアンがあくまで軸ということかなという気がします。

そして、シンクレレールはあがいた。

葛藤しまくって、そして最後には希望の光がかすかに見えるような、何某かの心の落ち着きを手に入れたと記憶しています。

細かく下調べしている余裕がないので、なんだか変だったらごめんなさい。

ハンスの友人(名前覚えておらず)のほうが、シンクレールの友人であるデミアンよりリアリティはありました。そのぶん、何も示唆しはしない。デミアンはあんまり実在しそうにありませんが、すごい存在感で、シンクレールに気づきを与えるだけの説得力を感じます。結局シンクレールは自分自身で掴み取ったし、悩みながらも自分の人生を生きるそのパワーが読んでいて心地好かったんだと今さらながら思いました。

個人的には両方の作品から、小説家としてのヘッセの変化を感じ取れるのが、とても面白かったです。

 

そのほか

今月は忙しいですが、少ししたらまた暇になりそうでもあります。本が読めなくてサッパリ記事が書けませんので、気になっているいろんな話題でも織り交ぜて、ぼちぼち書いていこうかと考えています。

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