『枕草子』を読みやすく。オススメの関連書籍いろいろ。『むかし・あけぼの』『大鏡』『権記』ほか

 

皆さま、こんにちは。小暮です。

今日は枕草子の関連書籍をいくつかご紹介したいと思います。

 

『むかし・あけぼの』田辺聖子

初っ端から恐縮ですが、未読です。

+16.2.1.追記。読みました。感想はこちら。

glleco.hateblo.jp

すごく読みたい本の一つということで、ご紹介することにしました。

作家の田辺聖子氏は古典への造詣が深いことで知られ、

古典に関する本をいくつも執筆しています。

こちらは枕草子を小説化した本で、

アマゾンの立ち読み機能で読んでみたところ、

最初の夫であった橘則光との離婚理由から始まっておりました……。

宮中で素敵な貴公子と出会いつつ、結局少納言は則光が最愛だったのではと

個人的には思っているので、則光の存在感が大きいらしいこちらの小説は

すごく気になります。

ただ下巻がすごく手に入りにくい状況で躊躇しています。

電子書籍は眼精疲労がキツイこの頃……。

新装版が出ています。表紙が様変わり。

 

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大鏡

 平安中期について書かれた歴史書。作者不詳です。

帝と藤原氏の公卿が中心に描かれており、時代の流れや人々の繋がりがわかります。

そもそも枕草子の時代の名のある人物のうち、

道隆(定子の父)、道長(彰子の父)、詮子(一条帝の母)は兄弟ですし、

斉信と義孝(行成の父)は先の三人の従兄弟にあたり、

実資、公任、実方は、先の全員とはとこという関係です。 

(さらに実資と公任も従兄弟どうし)

つまり血族間で骨肉の争いを繰り広げているわけで、

いってみれば親戚どうしのゴタゴタが日本の歴史になっているのです。

大鏡』は、枕草子の時代だけでなく相当に広い範囲を扱っていますが、

枕草子の人物についても興味深い逸話がいくつも載っています。

定子の弟・隆家が後年、道長に怯まず気骨を見せる話は、

一矢報いるまでいかなくても、中の関白家としての意地を見せた感があります。

『権記』

 別名『行成卿日記』。頭の弁として枕草子に登場する行成の日記です。

頭の弁となる前の青年期から始まり、

道長の側近として朝廷で辣腕を振るう日々を中心に記されています。

上中下巻のうち、中巻の最初のほうで定子が亡くなりますが、

一条帝が行成に『甚だ悲し』と言ったという記述があります。

また下巻の一条帝崩御について、一条帝の辞世の句である

『露の身の風の宿りに君を置きて塵と出でぬることぞ悲しき』は、

皇后(定子)に宛てたものだとはっきりと記されています。

一条帝の辞世の句については諸説あり、

辞世の句自体が複数伝わっていて、現代も論争の種になっています。

ちなみに権記には清少納言の「せ」の字も出てきません。

内容も相当お堅いです。私も一応読んだものの、

興味の薄い部分はあまり頭に入らず。

『素晴らしい装束の世界 ~今に生きる千年のファッション~』八條忠基

飛鳥時代からの宮中装束について解説されています。

メインは平安中期からの束帯や布袴、十二単などです。

直衣や狩衣、水干、直垂、唐衣、小袿、袿袴に、

凶服と呼ばれる喪服や、神職の装束も載っています。

イラストや写真が豊富で、当時のファッションがよくわかります。

桧扇に、冠や烏帽子、浅沓などの小物のほか、

衣の色にも決まった重ね方があり、非常にオシャレです。

枕草子では、女房や殿上人のファッションについてよく言及されているので、

この本を捲りながら、装束を想像してみると楽しくなります。

中宮定子はよく紅の衣を着ていますし、

大納言・伊周は紫の指貫に紅の単と白い袍と思われる

出で立ちが記されています。

暴れん坊少納言かかし朝浩

マンガです。すごいタイトルですが。

話もビジュアルも史実とはだいぶ違いますが、

しっかり下調べした上で、あえて変えて描いている印象です。

ラストは救いのある内容になっています。

定子が小気味いいくらいに無茶苦茶でした。

少納言が16歳という設定ですが……(本来は20代後半)

やや定子との距離を感じるのが気になるところではあります。

山吹の花片の手紙の解釈には同意。

そのほか雪山のエピソードなど、枕草子から豊富に材をとっています。

それから史実では少納言と顔を合わせなかった紫式部も登場します。

絵柄は濃いです。少年漫画テイストかも。

 

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