ビアトリクス・ポター『ピーターラビットのおはなし』と映画『ミス・ポター』
皆さま、こんにちは。小暮です。
只今ヴィクトリア特集中です。
今日はビアトリクス・ポター『ピーターラビットのおはなし』と
映画『ミス・ポター』について。
『ピーターラビットのおはなし』
お母さんうさぎに青い上着を着せてもらったピーター。
お母さんの留守中に、約束を破ってマグレガーさんの畑に出かけ、
野菜を食べてしまいます。
このあと、マグレガーさんに見つかって、大変な目に。
なんとか逃げ出したピーターですが、上着を落としてしまいます。
その上着は、マグレガーさんの畑の案山子にされてしまいます。
絵本の感想
てのひらサイズでとても可愛いものでした。
優しい色合いの水彩画の絵もステキです。
ピーターは熱を出してしまったり、だいぶ大変な目にあいますが、
お母さんに上着を着せてもらうときの表情や
いたずらっ子でワンパクなのも小さな男の子らしい。
昔話やお伽話に出てくる動物キャラクターは、
したたかであんまり可愛らしく描かれていない印象がありますが、
ピーターラビットは愛情たっぷりで描かれているなあと感じます。
ビアトリクス・ポターについて
ポターは1866年、以前の記事で少し触れたアッパーミドルの
家庭に生まれました。
大変裕福な家庭で、当時の良家の子女の習いに従い、
学校には行かず、家庭教師から勉強を教わりました。
ポターは後年「学校には行かなくてよかった。個性が潰されてしまったろうから」と述懐しています。
幼い頃から絵を描くのが好きで、動物を可愛がる、感性豊かな少女だったようです。
映画『ミス・ポター』
レニー・ゼルウィガー主演の映画。ビアトリクス・ポターが主役です。
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ロンドンの暮らしに馴染めず、結婚にあまり乗り気になれないビアトリクスが
絵本を出して作家となり、その出版が縁で最初の恋人と出会います。
しかし、婚約後わずか1ヶ月で恋人は帰らぬ人に……。
失意のビアトリクスは湖水地方に移り住み、牧歌的な生活を始めます。
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ピーターラビットのイラストが随所でCGによって動き出すのが愛らしい。
おとなしくて、親に従順なビアトリクスが、
自立して芯の強い女性へと成長していく物語です。
スタートが遅い彼女……それでも人生を切り拓けると、励まされます。
静かで情趣に富んだ映画です。19世紀のファッションも堪能できます。
ヴィクトリア朝特集の連載はこれで一応終了になります。
ありがとうございました!
ヴィクトリア朝に関しては、また時々書いていこうと思っています。
次回は10月10日更新予定です。
それではまた。