眠れぬ夜の暇つぶし雑学|パンチ誌の挿絵からみるヴィクトリア朝

 

皆さま、こんにちは。小暮です。

今日からしばらくヴィクトリア朝特集として、

ヴィクトリア時代の本や話題をご紹介します。

1回目はヴィクトリア朝の文化について。ファッションがメインです。

 

ヴィクトリア朝とは

ヴィクトリア朝はイギリスにおいてヴィクトリア女王が統治した時代のことで、

1837~1901年までがその時代に当たります。産業革命によって経済発展を遂げ、

また植民地支配にも裏打ちされ、大英帝国として栄華を極めた時代です。

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ヴィクトリア朝の文化

貴族階級だけでなく、庶民も豊かさの恩恵に与りました。

裕福な中流家庭が増え、彼らはアッパーミドルと呼ばれました。

ディケンズの小説を読むと当時の人々の暮らしがよくわかります。

また当時の大衆誌『パンチ』誌に掲載された多くの挿絵は、

この時代を知るにはかっこうの資料となっています。

(この記事で使用しているイラストはすべてパンチ誌の挿絵です)

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やはり、一番気になるのはファッションです。

クリノリンのボリュームたっぷりのスカート、バッスル、

その流行は目まぐるしく変わります。

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1895年ごろのファッション。スカートのボリュームはもうありません。

特徴的な袖はマトンレッグスリーブ。マトンレッグは羊の脚のことです。

左の女性のウエストの細さに注目。コルセットで締め上げているものと思われます。

この時代はすぐ気を失うような病弱な女性が好まれましたが、

実際ビクトリア朝の女性は体調を崩しやすかったそうで、

それにコルセットが関係しているといわれています。

締められて常に苦しかったってことですよね。

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 こちらは男性のファッション。フロックコート(長い外套)に

ウエストコート(ベスト)それにシャツとズボン、襟元にはタイを巻きます。

外出する場合はシルクハットやボウラーハットをかぶります。

ステッキと懐中時計も紳士スタイルの重要アイテムで、

特に懐中時計は高いのにないとサマにならないというので、

時計はなくとも鎖だけは提げて、ちゃんと持っているように見せたりしたようです。

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こちらの絵はハロウィンテイストですが、

右の女性のファッションはグリーナウェイドレスだと思います。

人気絵本作家のケイト・グリーナウェイがよく描いたことで

流行したドレスです。パフスリーブとハイウェスト、

そしてギャザーたっぷりのスカートが特徴です。

手袋とデコラティブなボンネットを合わせます。

ヴィクトリア朝の文化を手軽に幅広く知りたいなら、この一冊がおすすめです。

明日はルイス・キャロル不思議の国のアリス』の予定です。

それではまた。 

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