食わず嫌いに読んで欲しい。実は面白い『枕草子』1
皆さま、はじめまして。グレコと申します。
今日から始まった、この読書メモブログ。
最初に取り上げるのは、『枕草子』です。
枕草子について簡単に
あまりにも有名な古典の名作ですね。
作者は言わずと知れた清少納言。
冒頭の『春はあけぼの……』のくだりは学校で暗記させられますよね。
美しい情景がありありと浮かぶ名文です。
しかし。
少納言の真骨頂は、その美意識と、何よりもユーモアでありましょう。
枕草子は、当時の文化や風流を少納言の好みで選り抜いたもので、
宮中の人々の面白エピソードも満載。
むしろこっちが見所と言ってもいいくらい。
おもしろエピソードをご紹介
個人的に好きなのは、
『などて官得はじめたる』『大納言どのまゐりたまひて』
『などて官得はじめたる』は、夜居の坊さんの話。
夜居の坊さんというのは、女房たちの愚痴を一晩中聞いてあげる仕事。
平安時代にはそんな職業があったらしいのです。
しかし、その夜は若手の女房たちが
「着物の名前がヘン」「ホソナガはいいけど、カザミとかわけわかんないわよ」
「カラギヌとかサシヌキとかなんなのよ」といった、
あまりにしょーもない愚痴を言うので、
いつもは黙って聞いている夜居の坊さんもカチンときたらしいという内容。
豆知識
この夜居の坊さん。
『はづかしきもの』という段にも登場します。
この場合、はづかしきもの=頭の上がらないものという意味。
愚痴の中には、人の悪口もあり、
つい夢中になって、気がつけば、ここだけの話だらけ。
夜居の坊さんはすべてを知っている。
夜居の坊さん敵に回せないわー。
……ということですね。
なんだか千年も前に生きた人々が身近に感じられます。
少納言は、その情景が読み手の目に浮かぶように、
実に巧みに、生き生きと描き出してゆきます。
枕草子―付現代語訳 (上巻)
ああ、長くなりすぎた。
『大納言どのまゐりたまひて』は、明日にしようと思います。
それではまた。